自殺で大切な人を失った人へ

ひとりひとりの悲しみの感じ方は全部違います。悲しみから癒されていく過程もひとつではないと思います。
わたしは父を失うという経験をしましたが同じ経験をした人の気持ちをすべてはわかりません。また失ったばかりの人、少し時間がたった人、長い時間がたった人、それぞれの感じていることがあると思います。

あなたは今、どんな気持ちでいますか。

わたしはずっと、孤独を感じていました。だれからも助けてほしくないという気持ちを持ち続けていました。でも同じくらい強く、同じ思いをしている人を捜し求めていました。
このページもそんな気持ちからできているところがあります。 HPを通じて同じ思いをした人と出会ったり、同じ体験をした人の書いたものを読んだりするうちに、わたしは少しずつ自分の感じたことを共有できることが、信じられるようになってきました。

大切な人の自殺は、たくさんの未解決な問題を残していくと思います。どうしてそんな選択をしたのか、自分はなぜもっと力になれなかったのか、もっと自分がこうしていたら。。。そんな問いをすりきれてしまいそうなほど何度も何度も繰り返して、見つからない答えを探そうとします。
もしそれに正しい答えがあるのだとしたら、それは「答えはわからない」ということではないかと思います。

「答えはわからない」と知ったときにわたしはもうひとつの自分の生き方が始まったような気がしました。父の思いを理解したくて、こころの障害について勉強したり、こころのはたらきについての本を読んだり、生きがいについて考えたりしたこと、父の選択によってわたしの受けた影響は、わたし自身の父への答えではないかと思います。
答えが見つからないことがわかっても、父の思いを理解しようとする努力は続けていくと思います。そうしていくことそのものが自分にとっては父への返事のような気がします。

わたしがひとりじゃないと教えてくれた人たちに感謝します。

【わたしが読んだ本】

さよならも言わずに逝ったあなたへ−自殺が遺族に残すもの−
カーラ・ファイン 著・飛田野 裕子 訳/扶桑社 2000年

悲しみを越えて
キャロル・シュトーダッシャー 著・福本 麻子 約/創元社 2000年

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